令和3年3月定例会において、多くの議案が一括して上程され、質疑が行われた。特に、予算に関する質疑が活発に行われ、越谷市の財政状況やコロナ禍の影響が議論された。
予算に関する質疑では、一般会計と特別会計で計221億円の乖離に言及された。白川秀嗣議員は、予算編成過程の透明性と市民参加の重要性を強調し、市民が予算作成にどのように関与できるかを問うた。この点に関して、高橋努市長は、市民の声を予算要求段階から反映させる取り組みを進めていると述べた。
さらに、コロナ禍の影響についても質疑が交わされ、永福徹行財政部長は、税収の減少が続く中で、35億円の財政調整基金を取り崩して予算編成を行ったことを報告した。また、国からの財政支援策を活用し、必要な施策の実行に努める意向を示した。
また、2050年カーボンゼロ宣言に関する取り組みも注目された。市は、省エネや再エネの普及を進めつつ、地域特性に応じた施策の展開を検討していると鈴木正明環境経済部長が説明した。2050年の目標達成は難しいが、努力を重ねる必要があるとの認識が示された。
本会議では、合計57件の議案が提出されたが、質疑の結果、委員会への付託が決定された。これにより、越谷市は今後も市民の意見を尊重しつつ、厳しい財政運営に取り組む姿勢を示している。今回の質疑を踏まえて、越谷市の行財政運営の透明性が一層高まることが期待される。