越谷市では、12月定例会で様々な市政に関する議論が交わされた。特に注目されたのは越谷市立病院の経営健全化と市からの繰出金、経営形態についての質問であった。病院経営は依然として赤字が続いており、松島孝夫議員は経営健全化に向けた具体的な取り組みと今後の見通しを市長に求めた。
市長の福田晃氏は、新型コロナウイルス感染症の影響で経営が厳しい状況であることを認めた。さらに、地域住民への質の高い医療サービスを提供するために、病院の収益を改善するための施策を積極的に進めていることを強調した。特に、紹介患者や救急患者の受入れ方針を強化し、医療ソーシャルワーカーの積極介入を通じて入院患者数の増加を図る取り組みを進めているという。
また、市からの繰出金についても言及され、昨年度には約13億円の繰出金が市立病院に支払われたと説明された。この負担金は病院の経営基盤を支えるために不可欠であるが、松島議員は繰出金の額が年々増加していることから、その見直しと今後の考え方について市長の発言を求めた。
市長は、医療の質を維持するための経費として必要な支出であり、適正な医療を確保するために算出されたものであることを明らかにした上で、今後は更なる経営改善に努め、繰出金の適切な額についても制度的に精査していく必要があるとした。
さらに、経営形態の見直しに関して、松島議員は他の公立病院が一部適用から全て適用へとシフトする中で、越谷市立病院も再検討が必要であると訴えた。市長は、現在の経営形態でも地域の基幹病院として一定の役割を果たしているが、経営環境が変化する中で、その必要性や運営の在り方についても柔軟に考えていくべきだと認識を示した。
また、新型コロナウイルスワクチンの接種状況については、秋開始接種の動向を見つつ、ワクチンの副反応に関する情報提供を行い、接種へと繋げる努力を続けるとした。