令和3年第3回陸前高田市定例会が9月22日に開かれ、新型コロナウイルス感染症がもたらした影響を受けつつも、さまざまな施策が議論されている。議案として提出された令和2年度一般会計歳入歳出決算や、各特別会計の決算案は賛成多数で認定され、これにより市の財政状況が一定の理解を得た形となる。
決算等特別委員会の委員長である鵜浦昌也氏は、「令和2年度の決算は708億円余の歳入と642億円余の歳出で、7億9,800万円余の黒字である」と強調した。この結果は、震災から10年を迎えた本市にとって重要な意味を持つ。
議論は議案決算に関する内容に留まらず、教育現場の包括業務委託に関する意見も交わされた。例えば、業務委託設計書では、業務単価に基づく支払いが行われるが、実際の業務が履行されなかったにもかかわらず契約金額が支払われたことに系譜される疑問が出された。菅野広紀議員は、「契約した業務が履行されなかったのに支払われることに疑問を感じる」と指摘した。
さらに、農業分野でのブランド米「たかたのゆめ」に関する意見もあった。大和田加代子議員は、「苗代の支援が行われているが、ブランド米としての市場価値が見いだせていない」と懸念を表明した。このような教育現場や農業分野の問題に関する議論は、今後の施策に影響を与える可能性がある。
また、「更なる少人数学級の実現」に関する請願があり、こちらは慎重な議論が必要とされている。教育民生常任委員会の蒲生哲委員長は、「子ども一人一人を大切にした教育が必要であり、義務教育の国庫負担を引き上げるべきである」と述べた。これに対し、木村聡議員は、「請願の整合性が取れていない」と反対の立場を示した。
最後に、市長の戸羽太氏は、「財政問題は重大課題であり、市民生活を守るための施策を進めていく必要がある」と語った。