令和5年9月定例会が開催され、多くの重要議題が取り上げられた。
中でも、藤田裕喜議員が提起した空家を取り巻く諸課題に関する質問が注目された。藤田議員は空家処理における法律面の複雑さや処分方法への市の支援ニーズを指摘し、特に家財処分の補助金制度の利用状況について尋ねた。建設部長の鈴木伸尚氏によると、本年の補助金利用は僅か1件に留まった。議員は、この要件が利用における障壁になっているのではないかと懸念を示した。
八田寿人議員は、防災関連情報の伝達方法に焦点を当て、特設ページの運用状況と市民への周知方法に言及した。危機管理監の星野浩幸氏は、災害時の情報が市民に迅速に伝わるよう、ページへの誘導方法に改良を加えたことを説明した。
次に太田哲也議員は、がん対策につき、特にHPVワクチンの接種率向上の必要性を指摘し、男性へのワクチン接種についても検討を進めるべきと提言した。健康推進監の石黒美佳子氏は、令和4年度の受診率の低さを説明し、受診促進のための方策を述べた。
伊藤享佑議員は、避難行動要支援者への支援策について質問し、個別支援計画の作成が進まない現状とその理由を挙げた。希望者への周知活動や支援計画の共有が鍵であるとの認識を示し、円滑な運営体制の整備を求めた。
最後に、地域での運動部活動の移行について議論が進む中、岡田隆志教育部長は各団体との連携を重視し、指導者の確保が課題であると述べた。これに対し、伊藤議員は地域のスポーツ団体への支援強化が重要であると訴えた。
全体として、今回の定例会は市民の生活向上に向けた多様な議題を通じ、具体的な施策実現に向けた議論が交わされた。議員たちは引き続き問題解決に向け責任を持って取り組む姿勢が強調された。