令和元年第3回安城市議会定例会が9月26日に開会し、令和30年度の決算について多くの議案が上程された。主な議案としては、安城市一般会計歳入歳出決算、国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、介護保険事業特別会計歳入歳出決算などが認定され、次いで数多くの条例改正案が審議された。特に、議員間では厚生年金への地方議会議員の加入についての議論が注目を集めた。議員提出第5号議案として「新たな国民負担が伴う厚生年金への地方議会議員の加入に反対する意見書」が提出され、その背景には議会内外からの厳しい意見が存在することがわかる。「この意見書は、税負担を増やすものであり、市民の理解を得られない」と主張する声が多く出された。これに対し賛成派は「議員の存在価値を高めるためには厚生年金の加入が必要」との考えを示した。
感情が入り混じる中、質疑応答も活発に行なわれ、森下祥子議員は「陪席している市民にとって厚生年金は重要な問題です。では、どう考えているのか、現実に即した選択肢を示すべき」と問いかけた。議会の発言者間では意見が二分され、一部の議員は「意見書が市民の意思を反映していない」との懸念を示し、提出の合理性に疑問を呈した。
令和元年度安城市一般会計補正予算についても議論され、ついに採決へと進む中、議長のもとでの論議は続く。市民の意見が反映されない状態で進行し、意見が分裂したま多くの議員による反対意見が相次ぎ、反意見書となったため、採決は反対多数で否決される結果となった。ただし、厚生年金加入を求める意見書が可決し提出された。議員は市民が望んでいないものについて、今後どのように市政運営を進めていくのか、その責任を重く感じる瞬間となった。市長の神谷学氏も意見書の内容について「安城市の未来を担う議会の姿勢」に触れ、それらの意見書に対して市民への説明責任を果たさなければならないと発言した。
このように、安城市議会では今後も市民の声を反映させるための改革が必要とされる。議会の方向性や決定が市民生活に直結するため、今後も透明性を高め、より多くの市民が参加できる環境の整備を期待したい。これにより、議員年金復活とも言える意見書に対する理解を深め、市民との対話を進めることが課題となるだろう。また、地方議会が直面する人材不足問題にどう対処するかも重要な課題である。