令和3年10月19日、南砺市議会は補正予算関連の議案を審議した。
この日は、議案第82号から第86号までを一括で議題にしており、特に議案第82号の一般会計補正予算が注目された。市民経済常任委員会の竹田秀人議員は、新型コロナウイルス感染症の影響で経営が厳しくなった伝統的工芸品の支援について詳細を説明した。この支援策は、国指定の伝統的工芸品である井波彫刻と五箇山和紙の事業継続を目的としており、合わせて2,933万円の予算が計上されている。
竹田議員は、制作支援費が個人事業者で30万円、組合で50万円となっている点について公平性に欠けるのではないかを指摘した。市は、具体的に井波彫刻で40事業者、4組合を想定しており、各事業者への相談をもとに設定したと説明している。また、販売促進に関しては、一般購入者よりも業者の購入が多いため、業者向けの支援も行う方針が示された。
次に、民生文教常任委員会の石川弘議員は、南砺市民病院の病院事業会計補正予算(議案第85号)について報告を行った。新型コロナウイルスの影響で、入院患者との面会制限が続いていることから、病院内にWi-Fi環境を整備し、オンラインでの家族との面会を可能とする設備導入について説明した。これにより、タブレット端末を通じて入院患者と家族がコミュニケーションを図れるよう配備を進めている。
市長や副市長なども出席し、各議案についての質疑応答が行われたが、特に異議の声は上がらず、全ての議案が可決された。田中幹夫市長は、補正予算の承認に感謝し、地域経済の再建に向けて強力に取り組む意向を示した。市長は、ワクチン接種の効果もあり新規感染者が低下している現状を報告し、これからも引き続き感染防止策を徹底する考えを明らかにした。
本日の会議では、全会一致で可決された議案は地域医療や伝統工芸品の振興に貢献し、今後の施策に大きな影響を与えることが期待されている。議会はこれにて休会となり、次回の会議は11月30日に開かれる予定である。
この補正予算案の可決を通じて、南砺市の地域経済の立て直しが一層推進されることに期待が寄せられている。