令和4年3月7日、南砺市の議会が開かれ、様々な市政に関する議案が討議された。市政一般に対する質問では、令和4年度予算が主要なテーマとなった。特に、地域包括ケアシステムの構築が話題に上り、行政、民間、地域住民が連携し、高齢者が自宅で安心して暮らすことができる体制の重要性が強調された。
地域生活の基盤となるこのシステムでは、要介護の高齢者が医療や介護を地域で受けられるようにする取り組みが進められている。南砺市では、このシステムの一環として、医師会との連携を強化し、地域医療の支援や、訪問看護、介護サービスの充実を図っていると、井口 一彦地域包括医療ケア部長が説明した。
また、南砺市の人口減少に伴う影響も考慮され、予算の見通しが厳しい中、介護福祉施設の維持や市民の支持を得るための施策が話し合われた。市長の田中幹夫氏は、「南砺市での介護福祉施設の維持・更新は必要不可欠であり、市民の安心な生活を支えるものです」と述べた。
さらに、公共交通政策の見直しが進行中であることも報告された。交通弱者を意識したデマンド型バスの導入を検討しており、地域のごみ収集所や集会所前にバス停を設置するプランが示された。市民が気軽に公共交通を利用できる環境を整えることが喫緊の課題とされている。
西粟倉村の先進的な取り組みが紹介され、色々な行政、民間の連携事業が求められると共に、地元企業の参画も呼びかけられた。同村の事例では、地域の最大資源である森林に着目し、地域の特性を生かすことで新たな価値を生み出すことができた。
議会では、特に高齢者福祉と経済活性化の両立を目指す声が多く上がり、方針転換が必要とされる中、市が提供するサービスの質を向上し、持続可能な社会を実現するための進化が求められている。