令和5年3月、南砺市議会の定例会が開催され、重要な議案が提案された。
主な議題は、令和5年度の一般会計予算や各種特別会計予算の決定であった。市長の田中幹夫氏は、提案理由を説明し、令和5年度の一般会計予算は331億3,000万円に達し、前年より2.1パーセントの増加を示したと述べた。
田中市長は、新型コロナウイルス感染症に関する最近の情勢について説明を行った。特に、今年の5月からコロナは5類に引き下げられ、より平時の対応に移行する一方で、感染症対策の重要性を訴え続ける必要があると強調した。また、今後の市政運営に向けて、多様な施策を実施していく必要性が高まると述べた。
地方の財政運営に関しても言及し、令和5年度地方財政計画が国会に提出されたことを報告した。「地域のデジタル化や脱炭素化など様々な課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるようにする」と胸を張った。
特に注目されるのは、予算が市民に対する具体的な施策として組み込まれている点である。「出産・子育て支援や教育環境の充実、子ども医療費助成事業において多くの資金が投入されることにより、地域の活性化を図る」と説明した。具体的には、こども妊産婦医療費助成事業には1億4,434万円が計上され、山村留学定住事業には7,894万円を見込んでいる。
次に、特別会計についての報告があった。国民健康保険事業特別会計では、出産一時金を42万円から50万円に引き上げることが決定された。この取り組みは、地域の医療体制の強化に寄与することが期待されている。また、介護事業特別会計や訪問看護事業特別会計でも、各種施策の充実が図られる予定である。
補正予算に関しても議案が提出され、令和4年度の一般会計補正予算では、10億2,281万8,000円を計上する見通しである。田中市長は、「新型コロナウイルス感染症対策基金を活用し、地域経済の活性化を図りたい」と述べた。
最後に、田中市長は、多様性に満ちた寛容なまちづくりを進めることや、人口減少対策や企業立地戦略に積極的に取り組むことを明言した。市民と共有するまちづくりのビジョンの実現に向けた計画が、今後の施策に反映されることが期待される。