令和3年9月6日の南砺市議会では、様々な市政に関する質問と議案に対する質疑が行われた。
特に注目を集めたのは、地域経済の活性化に関する発言であった。才川昌一議員は、新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況にある中小企業への支援策を強調した。飲食業と観光業の支援を求めるとともに、現状の支援施策の成果と今後の支援策について尋ねた。田中幹夫市長は、昨年度から展開している非接触型決済付与や「あなたのお店応援チケット」事業の成果を紹介し、消費の拡大に寄与していると述べた。
加えて、伝統産業の育成についても意見が交わされた。コロナ禍による影響を受けた伝統工芸品産業を守るため、市民の協力を求める意見が多く出た。市長は、伝統工芸品への支援策を続けていく考えを示し、今後も市場における競争力を強化する必要性を訴えた。
さらに、農業政策についても質問が挙がった。作物の需給バランスが崩れ、米価の下降が懸念される中、井波地域農業者会からは早急な対策を求める声が上がった。市長は政府の買取りや補助金の拡充を強調した。
市民の健康に関する取り組みとして、新型コロナワクチン接種状況が報告された。井口一彦地域包括医療ケア部長は、接種が概ね順調に進んでいると述べ、特に12歳からの接種拡大に期待を寄せた。加えて、子供たちの心のケアについても言及され、カウンセラーの役割の重要性が強調された。
さらに、公共施設再編計画についても話が及んだ。市立子育て支援センターの改編が進む中、先述のように地域における支援の在り方も見直しが必要であると市長は認識を示した。地域を支える施策の強化が求められる。
この議会を通じて、様々な市政に関する重要な議題が浮き彫りとなり、地域における支援策や市民のニーズに応える態度が必要であることが再確認された。この動きは、今後の南砺市の政策運営において、特に重要な指針となるだろう。