令和2年第1回伊豆の国市議会定例会では、様々な地域課題が慎重に論じられた。この会議では、地球温暖化対策と森林保全、地域おこし協力隊の活動、さらには北条早雲没後500年祭に関する実施とその評価が中心テーマとなった。
まず、地球温暖化対策の現状と課題が取り上げられた。伊豆の国市では、平成2年度を基準にして地球温暖化対策実行計画を策定しており、令和2年度に25%削減を目指す。市長の小野登志子氏は、「温質効果ガス排出量が7.5%減少したが、依然として目標達成が難しい」と述べ、市民と企業と連携した取り組みの重要性を強調した。また、森林や農地の保全は、地域における生態系の維持のみならず、地域振興にも寄与することから、今後の施策に期待が寄せられている。
次に、地域おこし協力隊の活動についても議論された。地域おこし協力隊員は、市民に新たな視点で地域資源を発見してもらう役割を担っており、昨年から着任した隊員らは、観光支援や地域情報の発信に尽力している。しかし、指名業務と地域ニーズのミスマッチが懸念されている。市長は「移住後の就業に繋がるよう、さらに制度を拡充していきたい」と語った。
北条早雲没後500年祭も議題に上がり、市長はこの催しが地域への愛着を育むために重要であり、シンポジウムや映画上映会など様々なイベントを通じて多くの市民が参加したと説明した。「でも参加者数の少なさは否めず、市民と連携したさらなる広報活動が必要ではないか」との指摘もあった。市長は「今後も韮山城址の魅力を発信するために努力する」と述べた。
県内の他の自治体でも地域おこし協力隊の試みがあり、地域に定着する者が多い一方、まだ成功事例が確認できていない側面も存在する。市長は「地域の資源を活かした取り組みで定住を促進していきたい」と抱負を述べ、議会メンバーからも活発な意見交換が行われた。これまでの経験を活かし、協力隊の活動や北条早雲などの地域資源を活用した情報発信を進めていく方針であることが示された。
このように、第1回定例会では多様な議題が発表され、市の自然環境の保全や地域振興に向けた取り組みが求められた。今後も地域との協働を通じて伊豆の国市ならではの魅力を活かした施策が期待される。