令和2年9月に行われた磐田市議会定例会では、さまざまな議案や問題提起が行われた。
特に注目されたのは、令和元年度の一般会計歳入歳出決算に関する報告だった。討論内容の中で、企画部長の袴田浩之氏は、「令和元年度の実質単年度収支が11億2,916万6,000円の赤字となった」と述べた。これは、昨年度に比べ8億2,878万7,000円の悪化を示しており、逐次の支出の見直しが必要であることを強調した。
また、議案番号88号となる水道事業に関する未処分利益剰余金の処分についての質疑も交わされた。鈴木喜文議員は、具体的な減収要因を尋ねたところ、財政課長の鈴木賢司氏は「法人市民税の大幅な減収が響いている」と回答。これに対し、鈴木喜文議員は過去の状況に基づく対策の必要性を訴えた。
さらに、未処分利益剰余金の処分問題に続き、地域の環境保全に向けた取り組みとして、空き家対策事業が議題に。建設部長の鈴木政弘氏は、「市内で危険空き家となる可能性がある物件を277棟特定し、そのうち除却申請が26件あった」と述べた。地域の環境保全が求められると同時に、実態調査の重要性が求められる内容となった。
また、磐田市教育委員会が進める不登校児童に向けた取り組みにも言及された。教育部長の市川暁君は、「心の教室相談の件数が年々増加している」と説明し、特に進路確認や学校に登校できない理由の整理が行われていることを報告した。また、児童生徒の相談に際しては、地域の教育支援センターとの連携強化が進められている。
議会では、今後の施策として新消防庁舎建設計画や、地域に密着した民間バスの運行維持に関する課題も重要視された。市が持つ施策を通じて、より良い市民生活と地域活性化を図る重要性が改めて訴えられた。
このほか、老朽化が進む市営住宅のストック再編計画や、特に保育士確保の課題も議論され、現状での対策が求められる内容が多数報告された。全体を通じて、市民生活を守る施策の必要性を感じる内容であった。