令和5年6月の磐田市議会定例会では、火災防止や健康寿命の延伸、バリアフリー化、公共施設の老朽化などの重要な議題が取り上げられた。
最初に、健康寿命の延伸に関連するフレイル予防が議論された。フレイルとは加齢や生活習慣によって心身の機能が低下した状態を指し、早期発見・予防が求められる。市長は、地域活動や運動を通じて、高齢者が健康を維持できる環境作りの重要性を強調した。特に、介護保険サービスの利用者が増加すると見込まれる2030年に向けて、フレイル予防に向けた具体的な取組が必要であるとの見解を示した。
次に、フレイル予防における市民への普及啓発方法が問われ、広報いわたや地域活動を通じて、健康に関する啓発を進めていることが報告された。今年度からは新たに、自立支援モデル共創プロジェクトを実施し、地域のフレイル予防に向けた取組を強化する方針である。また、ジュビロ磐田への支援とホームタウン広域化に関する質問には、磐田市が市内にこだわらずジュビロ磐田と連携し、地域全体の応援に取り組む意向が示された。
公共施設におけるトイレの洋式化とバリアフリー化についても言及された。市全体で洋式化率は53.8%となっており、今後はバリアフリートイレやオストメイト対応トイレの設置を進める方向性が示された。具体的な導入計画と市民が快適に使用できる環境を整備する意義が強調された。
さらに、老朽化した公立幼稚園についても議論がなされた。雨漏りや機械設備の老朽化による修理の頻度が増している状況が報告され、特に、平成60年以前に建設された施設の改修が急務であると認識されている。市はこれらの施設に対して、計画的な修繕や将来的な再編成の必要性を強調した。
磐田市は、健康寿命の延伸、フレイル予防、公共施設の改修、バリアフリー化など、未来に向けて多くの重要な施策を進めている。市民の協力を得ながら、持続可能で安心・安全な地域づくりを目指す姿勢が見受けられた。