令和2年11月定例会の磐田市議会において、新型コロナウイルス感染症対策や教育、福祉施策についての重要な議論が交わされた。
まず、新型コロナウイルス感染症に関連する一連の施策について焦点が当てられた。江塚議員は、保育園の退園条件の緩和や放課後児童クラブの退所条件について言及し、特にウイルスの影響で職を失った家庭への支援を求めた。市長の渡部修氏は、求職活動中の保護者が継続して園の利用ができるよう、求職活動の要件を変更することに触れ、特例として最大60日間の求職活動延長を設ける旨を述べた。
また、教育の面でも江塚議員は、デジタル教育においてオンライン学習の早期導入を要望した。市の取り組みとして学校でのIT環境整備や家庭での双方向学習機会の提供が進められる見込みで、2021年度には1人1台のタブレット配布を目指しているとした。市長は、地域全体で新たな教育環境を整えていく必要性を強調した。
そして、福祉関連では、住居確保給付金やオンライン診療の拡充についても議論があった。生活に苦しむ市民への支援を強化する方針のもと、特に高齢者や医療機関へのアクセスが厳しい中でのオンライン診療の重要性が示された。
この他、新設の東部地区子育て支援センターに関る具体的な進捗状況が報告され、地域の子育て家庭にとっての期待が寄せられたところである。市長は、利用者の意見を反映させながら、地域に密着した支援策を進めていく責任を再確認した。
また、一連の施策の背景には、磐田市の財政調整基金の状況がある。現時点での残高は約72.6億円であり、今後の不測の事態に備えるため、この額を維持したいとの思いが表明された。主にコロナ関連の施策を推進する中、市の財源確保についての方針や進捗見通しが市民に明らかとなった。
さらに、やや遠い未来の視点で、企業誘致や移住促進の課題にも触れ、テレワークの普及に伴う地方への移住ニーズの高まりにどう応えていくかが問われている。将来を見越した施策の展開に、市長は自信を示した。
このように、コロナ禍の中で市の取り組みや課題が多角的に議論され、特に地域住民の声を反映させた施策の重要性が再確認された。市長は、「市民の生活を守るため、スピード感を持って対応していく」との姿勢で、市政を進めていく意向を表明した。