令和2年2月21日、磐田市議会が開催された。議案として提出されたのは、令和2年度通常予算を中心とした多数の議案である。市長の施政方針は、行財政改革を背景に市民サービスの向上を目指すとするものであった。
市長の渡部修氏は、施政方針説明の中で、「近年の厳しい経済情勢と新型コロナウイルスの影響の中で、市民が安心して暮らせる環境を築くことが私の責任である」と述べた。また、一般会計予算は669億7,000万円にのぼり、これは前年に比べ、約0.5%増加している。
特に、注目が集まったのは、子育て支援や教育予算の増加である。具体的には、ながふじ学府一体校の建設を進めること、地域の子育て支援センターの整備、また、待機児童の解消に向けた施設整備の補助金を増やすことが挙げられた。教育部門では、食育や学校給食の無償化に向けた取り組みが強調され、食と学校給食月間の設置にも言及された。
さらに、市民生活の安全確保に向けた防災対策も重要な議題である。市は、防災拠点の強化や急発進抑制装置設置への補助制度を創設することを計画しているとし、これにより高齢運転者の安全を図る。環境対策としては、自然環境と再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例が新設され、環境保全とエネルギー政策の両立が求められる。
また、議案の中には、選挙運動の公営化を進める条例改正や、議員及び市長選挙における選挙運動ビラの配布が可能になる旨も記載されている。これは選挙運動における透明性を高める狙いがあるとされている。
一方で、国民健康保険税条例や介護保険事業特別会計の改正案も合わせて提案され、財源確保や給付の充実を図る。特に国保税の課税限度額が引き上げられることが、今後の施策に与える影響も少なくない。
このほかにも、消防長及び消防署長の資格を明文化する条項や、地域活動推進のための条例改正も行われており、条例化による市民活動の活性化が期待される。議会においては、全議案の速やかな審議が求められている。市民のニーズを反映した予算編成とともに、これらの施策が円滑に実施されることが強く期待されている。