益田市議会の令和2年第544回定例会が開催された。議題は多岐にわたるが、主に就学援助や放課後児童クラブ、地域公共交通と市史編さんに関する議論が交わされ、市民生活への影響や今後の施策が焦点となった。
特に、就学援助制度については、経済的に困難な家庭の子どもたちが安心して学べるよう必要不可欠な施策であると強調された。安達美津子議員は、就学援助申請件数の調査結果を示し、コロナ禍による影響を理由に申請を躊躇する保護者が多かったことを指摘した。市は、減免を受けた世帯への周知と、制度のハードルを下げる取り組みを進める意向を示したが、さらなる支援強化が求められている。
また、放課後児童クラブにおいては、支援員の事務負担軽減や処遇改善について議論された。現在91名の支援員がおり、その中で労務管理や給与計算の業務負担が問題になっている。安達議員は、運営委員会単位での事務処理を一元化する「事務処理センター」の設立提案や、支援員の社会保険加入を促進するための仕組み作りを求めた。
さらに、萩・石見空港の運航状況も議題に上がり、県と全日空との調整が進められている。市は、羽田線が2便化維持されるよう今後も積極的に働きかけていく考えに変わりない。
市史編さんについても議論が交わされた。弥重節子議員は過去の研究成果を生かした市史の重要性を訴え、特に古代から現代にかけての通史を編纂し、未来への贈物として市民に伝えることの重要性を再確認した。
最後に、今後の財源確保がテーマに上がり、借金や基金の活用に関する慎重な運営が必要であるとの意見が一致した。特に、過疎債による助成が終わる影響を考慮し、新たな財源を確保するための対策が急務であるとの見解が示された。