益田市議会の令和3年第550回定例会では、市の課題に対する多様な提言が行われた。中でも、地球温暖化への対応や、新規就農者の支援策、公共交通の充実についてが重要な焦点となった。特に、地球温暖化に対する市の取り組みについては、久保正典議員が市長に意見を求め、地域の脱炭素化が急務であると強調した。市長の山本浩章氏は、2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする目標を掲げ、政策形成の重要性を説明した。
また、公共交通体系の整備についても多くの議員から提案が行われ、特に匹見地域の交通手段の確保が急がれる。河本亮議員は、新規就農者の受け入れ体制強化と農業支援策の充実を求め、市の補助金拡大を訴えた。市の畜産農業に対する影響評価や、地域のニーズに応じた適切な施策の実施が求められている。
さらに、地元の堆肥センターの問題も指摘され、古くなった機械や施設更新の必要性が浮き彫りになった。部長は、堆肥センターの機能維持に向けた取り組みを強化する考えを示し、利用促進のための方策を検討しているとした。
石見神楽に関して、地域活動の一環としてＭａｓｕｄａカグラボが結成され、新たに観光振興と地域振興を図る方策が進められている。市の石見神楽の日制定や地域資源の活用推進が期待される。影響力のある文化が地域経済に与えるポテンシャルは大きく、さらなる連携と支援が必要とされている。
これらの議論を通じて、市は急激な環境の変化に対応し、地域住民の生活向上を図るため、様々な施策を進める必要がある。住民が参加できる形での政策形成や、地域の特性を生かした農業の振興が求められている。また、市としての情報提供や、教育の中での環境意識向上についても今後の課題となる。