令和4年12月、多久市議会定例会が開会した。
議長の野北悟氏は、出席議員数が定足数に達したことを確認した上で、本日より12月19日までの会期を承認すると述べた。これに対し、特に異議はなく、この決定により会議が進行する。
会議の進行において、総務文教委員長の中島國孝氏が視察研修について報告した。彼は10月に神奈川県小田原市及び松田町で行った視察の詳細を説明した。公共施設の維持管理と空き家対策が視察の主要なテーマであった。
小田原市では、財源不足と人口減少が懸念されており、市が公共施設再編基本計画を策定していることを強調した。市民や利用者との合意形成を重視し、事業の再構築を進める必要性を指摘した。特に、地域の意見の重要性が述べられ、さらなる市民参加が求められている。
また、松田町での空き家対策についても言及し、特に高齢者に対する予防策が効果を上げている点を評価した。「市内でもこうした取り組みを継続する必要がある」と中島氏は強調した。
議案の一括上程では、24件の議案が提案された。市長の横尾俊彦氏は、個人情報の保護に関する法律施行条例や職員の定年引上げに関する条例など、重要な議題を説明した。
特に、職員給与の改定について、多くの議員が関心を寄せており、看護職員の処遇改善が含まれていることが注目された。「給与の較差を是正するための施策が重要である」と横尾市長は述べた。さらに、一般会計の補正予算や特別会計についても説明が行われ、特にコロナ対応の支出が指摘された。
最後に、閉会中継続審査事件の報告があり、産業厚生委員長の鷲﨑義彦氏が持続可能な営農への取り組みについて報告した。肥料や飼料の高騰が農業に影響しているため、支援策が検討されていることが伺えた。このような地域への配慮が未来の課題解決に寄与すると期待されている。