令和6年6月6日、多久市の定例会が開催された。議案に対する質疑や報告が行われ、市民生活に重要な複数の議案が審議された。
日程第1では、年度補正予算や条例改正について細かい質疑が続けられた。議案乙第20号、令和6年度多久市一般会計補正予算が特に注目を集めた。中島慶子議員がこの補正予算の詳細について質問を行うと、総合政策課長の梶原聖司氏が回答した。地域公共交通再編の目的と具体的施策についての説明がなされ、特に新たに導入されるAIデマンド交通が注目された。
中島議員によると、地域公共交通の運行効率化と利便性の向上に向け、9,029千円が予算に計上されている。この取り組みは、2020年に策定された地域公共交通計画に従い、来年度の公立佐賀中央病院へのアクセス向上を目指すものである。加えて、国からの補助金を受け、その規模が拡大する可能性がある点も強調された。
また、別の質疑として医療的ケア児保育支援事業についても言及された。香月正則議員が質問し、福祉課長の北村武士氏が、保育所への看護師配置とその目的についての詳細を述べた。この事業は、医療的ケア児とその家族への支援を中心に進められ、具体的には看護師の支援を通じて安心して子育てできる社会を目指すものとしている。
最後に議案の委員会付託について形式的な手続きが行われ、今後の審議に向けて協議が重ねられることになった。新たに設置された予算特別委員会には、総務文教委員会と産業厚生委員会の代表が含まれるため、議案に対する厳正かつ効果的な検討が期待されている。説明の中で、現在でも市内の公共交通の利用状況が厳しいため、議員からはさらなる施策の改善に対する強い要望が寄せられていた。
本会議の終結後も、地域に根ざした交通サービスの充実に向けた議論は続く見通しである。