令和2年9月9日の多久市議会定例会では、市政一般に対する質問が行われました。
この日の議事の中で特に注目されたのは、近年増加している空き家問題と、台風による災害対策についての報告です。市長の横尾俊彦氏は、台風襲来に際しての市の対応と、住民への影響に関する詳細を説明しました。
横尾市長は、先日通過した台風による市内の被害状況を報告し、特に総雨量や風速に関するデータを示しました。台風の接近に備えて、事前に義務教育学校を休校にし、高齢者への避難勧告を行ったことが強調されました。
続いて、「空き家対策」についての議論が拡がりました。平間智治議員が取り上げたこのテーマに対して、総合政策課の田代信一君は、市内に762件の空き家が存在しているという実態を説明しました。現在のところ、空き家は住民の生命や財産に対する脅威となっているとの認識が広がっています。市としては、空き家バンクの利用を促進し、所有者に対する補助金制度を設けているものの、実際の申請件数は限られており、解体や管理に関する意識向上が求められています。
また、牛島和廣議員からは北多久公民館の建設についての質問があり、教育長は現在の計画の進捗状況と候補地選定について回答しました。「全体の方針としてまだ決定には至っていないが、地域関係者との協議を重ねていきたい」とし、慎重な見通しを示しました。
樹木管理に関する質疑も行われ、北村武士防災安全課長は、特に高齢化社会における地域住民の樹木管理への負担を並べ、情報提供としての位置づけの重要性を指摘しました。
市としては、これらの課題に対する取り組みを強化し、地域住民が安心して暮らせるための施策を続けていく必要があるとしています。空き家問題や地域の公共施設への対応が求められる中、今後の取り組みが注目されます。