令和2年6月の定例会では、市政一般に関する質問が行われた。この会において特に注目されたのは、スポーツ振興と学校教育に関する議論であり、多久市の教育方針や施策について多くの意見が交わされた。
古賀公彦議員は、スポーツ振興の現状と課題について質問を行った。特に、スポーツの重要性は健康維持だけでなく、青少年の育成やコミュニケーション能力の向上にも寄与することを強調した。教育長の田原優子氏は、スポーツ活動を市民が主体的に実施できる環境整備に努めている現状を説明した。また、指導体制の強化についても、ジュニア選手の育成において重要であることを述べていた。
続いて、田中英行議員は鳥獣対策について質問した。特に、イノシシなどの農作物への被害が深刻であるため、捕獲実績や処理方法についての詳細が求められた。市長の横尾俊彦氏は、鳥獣捕獲を実施している旨を述べ、具体的な数値を示した。令和元年度の捕獲頭数は794頭であり、捕獲後は適切な方法で処理が行われているとした。減容化施設の導入も今後課題になるとの意見が出された。
また、財政関連の質問では、財政健全度についても議論された。飯守康洋議員が、実質公債費比率について数年前からの推移を尋ねたところ、財政課長の陣内紀朗氏は、現在の数字が11.0%から15.7%で、基本的に健全であるとの見解を示した。こうしたデータは市の財政状況を正確に分析し、未来の計画を実行する上での指針となる。
さらに、地方財政計画にも言及し、経常収支比率や公債費負担比率の確認も行われた。特に、経常収支比率が100%を超えると厳しい状況となるため、注意をする必要があるとの意見が寄せられた。市は不透明な状況に影響を受けつつも、健全な財政運営を目指しているという姿勢が見えた。
結局、今後の課題としては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた財政計画の見直しと対応、スポーツ振興の継続的な拡充、教育環境の整備が挙げられた。市長は、このような施策を通じて市民に笑顔を提供し、地域の活性化を図っていく意向を示していた。市政におけるこれらの施策がどのように実を結ぶか、今後の動向が期待される。