令和5年12月15日、多久市議会で定例会が開催され、市政一般に対する質問が行われた。
多くの議員が多久市の農業課題や定住施策について言及した。特に田渕厚議員は、若手農家の厳しい状況を訴え、農地集積や新型コロナ、国際情勢が農業に与える影響について、詳細に質問を行った。
市長の横尾俊彦氏は、農業の現状を説明。農地面積1,380ヘクタールのうち643ヘクタールが担い手に集積され、集積率は46.6%と回答した。この数字は近年向上していることを強調した。「集積の進展とともに、農業経営が成り立たなくなるリスクも懸念される」とし、引き続き農業支援策を講じる意向を示した。
次に、坂口絹代議員は定住施策の周知状況について質問。市では様々な奨励金が用意されているが、認知度が低いことが指摘された。市長は周知方法を拡充し、SNSや地域のイベントを通じた広報の重要性を強調した。また、奨学金返済支援などの新たな施策にも言及し、効果的なアプローチが必要であると述べ、その検討を進める意向を明かした。
また、移動支援サービスについても質問がなされた。地域包括支援課の野方敏英課長は、住民ボランティアによる移動支援サービスの現状を説明。現在85名が登録しており、毎月60件を超える利用があるとし、来年度も養成講座を行う計画を発表した。
最後に、老朽化した街路灯や標識に関する質問が相次いだ。市長や各課の長は、適切な管理や点検を進める姿勢を示しつつ、市民の安全を確保するため関係機関との協力を強化していく決意を表明した。市は、これからも、農業や地域づくりを推進し、市民生活の向上に努めていくことを誓った。