令和4年9月12日、多久市議会において定例会が開催され、市政に関するさまざまな質問が行われた。
特に、香月正則議員はデジタルトランスフォーメーション(DX)についての具体的な取り組みを質問した。横尾俊彦市長は、政府のデジタル社会実現に向けた方針に基づいて、多久市でもDX推進方針を策定していると述べた。市の情報システムの標準化やマイナンバーカードの普及促進、行政手続のオンライン化など、多岐にわたる施策が進められている。
また、香月議員はデジタルデバイド(情報格差)の解消に向けた取り組みを強調し、特に高齢者やオンライン技術に不慣れな市民への教育や支援が重要だと指摘した。市長は、講座を開催することで市民がデジタル化の恩恵を受けられるようにしているが、さらなる取り組みが必要と認識していると答えた。
続いて、多久駅周辺土地区画整理事業についての質問が行われた。山本茂雄議員は、長年にわたるこのプロジェクトの進捗を評価しつつ、今後の換地処分や清算金に関する具体的な説明を求めた。市長は、27年間のプロジェクトの成果として、地域の景観の改善や防災対策の強化を挙げた。新駅舎や自由通路の整備により、交通利便性も向上したと強調した。
その一方で、県道小侍多久原線の整備状況や京町都通りの拡幅への対応、さらに中心市街地の活性化策に関する議論も続いた。市の商工観光課長は、官民協働によるまちづくりを進める姿勢を示し、ウォールアートやイベントを通じて交流人口の増加に寄与していると伝えた。また、旧ハロー跡地の利活用についても検討を行っているが、具体的な進展はまだ見られないとのことだった。
今後、多久市はデジタル化の進展に伴う行政サービスの向上や、中心市街地の活性化に向けた取り組みをさらに加速させる必要がある。一方で、地域コミュニティや住民参加型の施策を充実させることで、人口減少に歯止めをかける努力が求められるだろう。