令和3年3月17日、多久市議会にて定例会が行われた。
議会では、市政一般に対する質問が予定され、特に新公立病院の建設と公共施設管理について議論が進む場面が目立った。
まず、議員の飯守康洋氏が「市が行う施策・事務事業の進行管理」に関して、「PDCAサイクル」と「OODALoop」という2つの手法を取り上げ、今後の施策運営にどちらが有効かを市長に問いかけた。
これに関して、市長の横尾俊彦氏は「PDCAは長期的な戦略に適しているが、OODALoopは不測の事態への迅速な対応に有効であり、両者の特性を活かし組み合わせることが重要」との見解を示した。特に、近年の急な社会的変化やコロナウイルスの影響を考えると、OODALoopの活用が鍵となることが強調された。
次に、議員の野北悟氏が新公立病院について質問。新公立病院の初期投資にかかる費用は約77億円と見込み、国庫補助金を約10億円利用し、残りは起債を予定していることが説明された。また、病院の整備は過疎対策事業債を通じての財源を利用するとされ、開院から10年後には経営シミュレーションで資金不足の可能性が指摘されたが、この点についても市長が説明を行った。
さらに、公共施設の維持管理について、野北氏は「市役所の本庁舎および東庁舎の更新についてどう考えているか」といった質問を行った。これに対し、既存の施設が老朽化していること、また耐震基準を満たしている点についても言及された。しかし、利用者側にとって安全で快適な環境を提供するため、両庁舎に対する改修工事の必要性が提起され、具体的な計画策定に向けた取り組みが求められた。
議会全体を通じて、現代の危機管理の重要性や、柔軟な施策運営が求められることが議論され、市民の福利に直結する施策について真剣な意見が交わされた。特に、病院の設置や公共施設の更新は市民生活に密接に関与する問題であり、これからの行政運営にとって大切なテーマとなるであろう。