令和4年6月に開催された多久市議会では、大雨時の防災対策が主な議題にのぼった。特に毎回被害の出る箇所や、排水機場の運営管理に関する意見交換が行われた。
市長は、近年の豪雨により道路や河川、ため池が繰り返し被災している現状を説明した。例えば、柳瀬北坊線や平林地区では、毎回のように路肩崩壊や浸水が発生している。これらの道路では、カーブや下り坂の多さから、越流や流入の際に被害が出やすいことが指摘された。今後は、アスファルト舗装やカーブ部の草刈り、側溝の整備などを通じて、これらの被害を軽減したい意向が示された。
また、ため池については、最近13件の被災情報があり、堤体の破損や土砂流入が多かったと報告されている。特に、高齢化社会において、地域のため池の維持がますます重要性を増しているが、土砂流入の対策は難しいという課題が強調された。防災施設については、牟田辺、池田川、北古賀等の排水機場があり、それぞれ機能的に設置され、操作員によって管理されているが、人気や安全確保が求められている。
牛津川遊水地の整備も進行中で、国や県との協力体制が築かれている。新たに設置されるこの遊水地は、豪雨時の洪水を抑制し、内水の氾濫を軽減することが期待されている。市では地域住民への説明会を行う計画もあり、整備の詳細や進捗情報を提供することが重要視されている。これにより地域の不安を解消し、更なる協力を得ていくことを目指している。
また、排水機場の操作員は高齢化が進んでおり、今後の後継者確保が懸念されている。この問題に対しては、地域の意向やニーズを反映しつつ、適切な人材の確保を図る方向性が説明された。特に、名義貸しや実態に即した動員が必要になることも考えられ、一層の努力が求められる。
市は今後もこれらの防災対策を充実させ、地域の安全安心な暮らしを支える施策を強化していく意向を示している。