令和6年3月19日、多久市議会は市政一般に対する質問を行い、特に「地域猫」活動や公共交通の運営状況に焦点が当てられた。これに関して、中島慶子議員が質問をし、横尾俊彦市長が回答した。
まず、地域猫活動について議論が交わされた。中島議員は、猫の避妊および去勢手術補助金の終了理由を尋ねた。市長は、この制度が法律改正に伴い終了したことを説明した。具体的には、飼い主による猫の繁殖制限が義務化されたためである。補助金利用の実績として、申請件数は383件、413匹に対して補助金が交付された。市への苦情相談は減少基調にあるものの、依然として存在している。
次に、地域公共交通に関する質問が続いた。中島議員は、ふれあいバスとタクシーの年間利用状況について質問した。市長によると、ふれあいバスは令和4年度に約25,417人が利用したが、依然として利用者数は減少している。また、ふれあいタクシーは、令和4年度の利用者が530人であった。この現状について市長は、「ワーキンググループを立ち上げ、運営の再編を検討中」と説明した。運営経費と市の負担も年々増加しており、新型コロナウィルスが影響しているとされる。
さらに、公共交通機関の利用促進策が求められた。中島議員は、移動手段としての利便性向上が不可欠とし、利用者のニーズに応える新たな運行方法の検討を要望した。また、頻繁に運行されるバスやタクシーが、市民にとって利用しやすくなるような施策の改善が必要であるとの意見が提起された。
最後に、香月正則議員が市道の安全確保について質問した。市管理の703路線の市道が安全管理されているかに焦点が当たった。市長は、道路の定期点検や通報に基づく迅速な補修が行われているとし、特に通学路の安全確保に関しては様々な施策を講じていることを明言した。市道隣接地からの雑木についての対応や、通行の安全を確保するため、関係機関と協力しながら今後の改善に取り組むとした。
市道の維持管理の問題は市の大きな課題であり、この点に関しては市民からの関心も高いことが伺えた。また、公共交通の利用促進と地域猫活動に関する取り組みは今後の重要なテーマとなるだろう。全体として、市政に対する議員の質疑応答が市民サービスの向上を求める声となった。