令和元年6月25日、多久市議会では定例会が開催され、市政一般に対する質問が行われた。
議員による質問の中で特に目を引いたのは、香月正則議員の市内交通と公道の安全に関する提言である。香月議員は、「ふれあいバスの福祉的利用の現状」や「交通安全教育の実施状況」を問うた。
市長の横尾俊彦氏は、ふれあいバスは現状、自力で乗降可能な方を対象としており、介助が必要な方への対応は十分ではないと答えた。今後、利用者ニーズを考慮し、改善策を検討する必要があるとの視点を示した。また、横断歩道の安全対策について議員からの質問に対し、歩道整備の重要性を強調し、交通事故に対する教育や啓発についても努力が求められるとした。特に、近年の交通事故の増加に懸念を示し、今後もその対策には力を入れていく方針である。
さらに、災害対応に関する質問に対して、樺島永二郎議員は消防団の退避基準について質問を行い、市長は現在、退避基準が策定途中の旨を回答した。この現状を受け、さらなる対策が求められる。
続いて、文化面に関して、古賀公彦議員は、市立図書館の利用率や読書人口の増加策に焦点を当て、図書館の機能強化を訴えた。市長は、図書館のサービス向上に向けた取り組みを実施し、利用促進に力を入れる意向を示した。
会議の最後には、九州新幹線のフル規格化について、地元の影響や交通網の整備が市の未来にもたらす影響を議論する場面もあった。この中で、各議員が交通や福祉面での更なる施策強化を求め、今後の課題として取り組む必要性が浮き彫りになった。市長もその重要性を認識し、引き続き検討を進める旨を述べた。
このように、多久市議会では交通・安全・文化と多岐にわたる質問がなされ、議員は市の施策に対する強い関心を持っていることが見受けられた。市民の暮らし向上に向けた具体的な取り組みが進むことが期待される。