令和3年6月16日に行われた富田林市議会では、新型コロナウイルスワクチン接種の取り組みが主要な議題に上がった。辰巳真司議員は、ワクチン接種事業の現状について質問し、市職員の奉仕に感謝の意を表した。市側は、接種会場としての集団接種においては、医師会との連携による円滑な運営を述べた。
特に、健康推進部長の喜田浩二氏は、ワクチン接種を支えるために24名の職員を割いていることを報告。高齢者への接種状況では、接種対象者34,781人中1回目接種が40%を超えたとし、副反応の可能性についても触れた。副作用としては、次第に回復するものが多いとし、様々な懸念に真摯に取り組む意向を示した。
続いて、辰巳氏はステップファミリーへの支援についても言及。現状では、国や行政による具体的な支援体制は整っていないとされ、必要な情報の共有やサポートの創出を求めた。また、介護や子育て環境における課題が、子どもに与える影響とその解決が急務であると強調した。市は、冊子の作成を含む施策を今後検討する意向を示した。
その後、富田林市役所の新庁舎建て替え問題にも議論が移った。岡田英樹議員は、庁舎の一部機能をすばるホールに移転する方針転換について疑問を呈し、具体的な経緯や市民への説明責任を求めた。この庁舎分散化の決定には市民からの反発も多く、新たな議論を呼び起こす結果となった。
議会では、特にすばるホールの文化活動機能が低下する懸念についても指摘され、これに対する市の姿勢が問われた。市長は、文化への配慮を示しつつも、全体の財政的な観点から施策の必要性について説明した。さらに、勝手踏切に関する問題も取り上げられ、事故防止策を進める意義を訴えた。
全体として、この会議ではワクチン接種による市民の健康確保と、家族に対する支援が中心議題に据えられ、今後の施策に向けた重要な意見が交わされたことが印象的であった。市民生活に深く関わる法整備や新たな政策が求められている現状が浮き彫りとなった。今後の市の取り組みには、大きな期待が寄せられている。