令和6年3月5日、富田林市議会定例会(第1回)が市議会議事堂において開催された。様々な議題が挙がる中で、特に危機管理や財政問題に関する議論が活発に行われた。
議会の中で目立ったのは、寺内裕介議員による「市の危機管理について」の質疑である。寺内議員は、昨年の能登半島地震の影響を踏まえ、富田林市が今後大規模災害に対してどのような備えをしているのかを問うた。危機管理官の花岡憲氏は、「大規模災害に備え、食料品や生活用品を含む防災備蓄品を市の防災倉庫や各避難所に分散して備蓄している」と述べた。また、個別避難計画の策定についても言及され、「地域の要支援者に対し、できるだけ早期に対応する必要がある」との見解を示した。
続いて、「随意契約の見直しについて」も重要なテーマとなった。寺内議員は本市の随意契約について透明性と公正性を求める意見を述べ、市の随意契約ガイドラインや実績の公表を提案した。総務部長の矢野恵一氏は、「透明性、公正性を高める努力をする」との方針を示した。これは地元行政の行動指針に合致する重要な見解であり、地元住民の信頼を得るためにも非常に重要である。
さらに寺内議員は、富田林市農業公園(サバーファーム)についても質疑を行い、休園となることへの懸念を示した。産業まちづくり部長の森木和幸氏は「農地管理は継続し、利用者の便宜を考慮する」と回答し、市民に新たな農業体験を提供する姿勢を強調した。
行財政改革や財政収支見通しに関しても重要な論点であった。寺内議員は新型コロナウイルスの影響や少子化による市の厳しい財政状況を指摘し、「他の手を打つ前に資源の有効活用を進める必要がある」と述べた。副市長の松田貴仁氏は、さらなる工夫を重ねる必要があるとしつつ、「透明性の確保とデータに基づいた施策を実施していく」との方針を示した。
最後に、草尾勝司議員が観光誘客の取組について質問を行い、特に大阪・関西万博を契機にした観光資源の活用に期待を寄せ、具体的なアクションを要請した副市長も「多言語対応をはじめとした体制整備を進める」と応じた。これは市の魅力を広くアピールし、観光業界の活性化につながることを期待する声にも合致するものである。
このように、富田林市議会は今回の定例会を通じて、市の危機管理体制や財政問題、観光振興など、多岐にわたる課題に対して積極的な検討が求められる会議となった。市民の信頼を得るためにも、こうした議論は今後も重要な役割を果たすことが期待される。