令和3年第513回読谷村議会定例会が開催され、多くの課題について議論が交わされた。
中でも際立ったのは、地域の福祉政策に関する質問である。特に籠城期間が長く、社会的弱者の支援を求める声が高まる中、議員たちは「誰一人取り残さない社会」に向けた強化策を求めた。
まず、村長の石嶺傳實氏は、昨年度からの実績を振り返り、読谷村の福祉政策について「地域の事情に応じた取組の充実が必要」と強調した。現行の政策による認知症高齢者への支援や生活困窮者に対する取り組みが、今後も継続されることを示唆した。
次に、生活困窮者自立支援制度が問題視された。議席3番の大城行治議員は、生活困窮者の状況や特にヤングケアラーの現実を指摘し、支援体制の充実を訴えた。福祉課長の山内昌直氏は、相談件数が新型コロナウイルスの影響で大幅に増加したことを明らかにしつつ、村内のニーズに応じた適切なアプローチを続けていると答弁した。
ヤングケアラーに対する認識や支援策も言及され、生活環境課長は「資格のあるスタッフとの協力を基に、地域全体で子どもを守る必要がある」と述べた。
さらに、古着の回収事業も話題に上がった。波平公民館、楚辺公民館の2ヶ所で開始されたこの取り組みは、開始初月で850キロ、翌月には1740キロの回収を記録し、村民からの反応は良好であった。生活環境課長は、今後他の自治会にも波及させていきたいとの意向を示した。
また、虎地原線の整備とその地域活性化についても議論された。議員たちは、嘉手納高校へのアクセス向上や、観光資源としての利活用を見越した積極的な政策が必要であると指摘した。土木建築課長は、現在の煩雑化した交通状況の改善に向け、「虎地原線の整備は重要である」と回答した。
このように、読谷村議会では、地域住民の生活や福祉、インフラ整備について多角的な視点からの議論が展開された。引き続き、各議員による福祉施策の充実に向けた質疑が見受けられることが期待される。