令和2年第2回竹富町議会臨時会が3月26日に開催された。この日は、竹富町の将来に関わる数々の重要議案が審議され、特に竹富町総合計画第5次基本構想と第9次基本計画の策定が大きな注目を集めた。また、国土利用計画や子ども・子育て支援事業計画の策定、工事委託契約についても議論された。
会議では、特に竹富町総合計画についての発言が活発であった。町長の西大舛髙旬氏は、計画の策定において、地域の意見をしっかりと反映させることが重要であると強調した。議員の三盛克美氏は、町民参加のプロセスに疑問を呈し、特にアンケート調査に対する参加率が低かった点を指摘した。これに対して政策推進課長の小濵啓由氏は、全町民に2,200通のアンケートを送付したが、回収率は19%となったと説明した。
次に、国土利用計画の審議が行われ、従来の農地の利用についての課題が浮き彫りになった。議員の大久研一氏は、増加する人口に対して島における宅地不足が深刻であると指摘し、「宅地化できる土地を増やし、若者が住める環境を整える必要がある」と強調した。さらに、波照間島の発言者たちからも、農用地の転換や政策の見直しを求める声が上がった。
もう一つの重要議題は、第2期竹富町子ども・子育て支援事業計画であった。この計画では、家庭・地域・学校が連携して子育てを支援する体制構築を目指していて、質疑のなかで待機児童問題や保育士の人手不足に対する懸念も表明された。特に、保育士確保が課題となっており、職員体制についての周知が不足していることが議員から指摘された。
最後に、西表製糖工場宿舎の整備事業に関する工事委託契約についても審議された。高額な予算が組まれていることから議会内での議論が盛んに行われた。議員の大浜修氏は、工事の迅速な進行を求め、新年度早期の利用開始を強く望んだ。
このように、竹富町議会における審議は、地域の課題に対する認識を共有し、今後の行政運営に大きな影響を与える内容となっている。議会の終了後も、町民の声をより反映した計画の策定が求められることとなるだろう。