令和元年12月10日に開かれた竹富町議会の一般質問では、役場移転や地域の防災対策、医療提供体制の充実に関する議論が行われた。
特に役場移転については、西大舛髙旬町長がこの移転を令和2年度中に実現させるべく、準備を進めていることを強調した。大浜修議員や山下義雄議員は、具体的な進捗状況や、緊急防災・減災事業債の申請作業について質疑し、一刻も早く役場機能を移転させる必要性を訴えた。
また、急患搬送に対する課題も指摘され、真栄里ヘリポートの使用停止に伴う搬送時間の延長が町民の不安を招いていると話された。特に消防団による急患搬送が長時間にわたることから、医療機関との連携強化が求められた。山下議員は、八重山圏域の医療体制を改善するための意見書をまとめ、国・県との協議を強化し、医療環境の整備を急ぐべきだと述べた。
防災危機管理については、地域拡声器の聞き取りにくさや、避難場所の整備状況が問題視され、大原地区の避難所がふさわしくないことから変更を求める意見も出された。加えて、緊急時の迅速な対応が行える体制づくりについて、さらなる議論が必要であることが確認された。
また、西表島の世界遺産登録に関連して観光案内人の登録制度についても話題に上がった。観光業者の理解を得るための支援や研修体制が求められ、地域の状況に即した制度の構築が急務となっている。これらの問題は、竹富町の将来を左右する重要な課題であることが、参加議員から訴えられた。
このように、竹富町議会における一般質問は、地域の切実な課題に対して真摯な討論が行われ、町の発展に向けた具体的な提案や解決策が話し合われる重要な場となっている。今後も、町民の声をしっかりと捉えた施策が実を結ぶことが期待される。