美作市の令和6年第2回定例会は、2023年6月3日に開催され、一般質問が行われた。議員らは市内の様々な課題について意見を交わした。特に注目を集めたのは、人口減少に伴う消滅可能性の懸念であり、具体的な対策が求められているという点である。
昨年、地元で行われた蛍祭りの話題から始まり、和田いさお議員は姉妹都市交流や外国人受入れについて質問を行った。美作市はフランスのセント・バレンタイン市と姉妹提携を結んでいるが、交流の現在の状況はあまり進展がないとのことだ。赤堀企画振興部長によると、姉妹都市との交流は継続的に行われているが、オーストリアやフランスとの連絡が途絶えている現状が報告された。
地元の農業振興についても注目が集まった。倉地重夫議員は、もうかる農業を目指した取組が進む中で高齢化や後継者不足が問題であることを指摘。自らの農業経営や新規就農者の増加に向け、行政と農協が連携すべきと強調した。特にエゴマやもち麦のような特産品の販売や、農業者への支援策が重要であるとの意見も示された。福永農林政策部長は、エゴマの直接支援や、政権交代の影響を考慮した施策を進める必要性を認めた。
また、美作市の教育ビジョンについても議論が交わされた。福田教育長は、学校運営協議会の取り組みや、地域と学校が連携して子供を育てる必要性を訴えた。コミュニティスクールを中心に、地域住民が学校運営に関与する活動が今後ますます重要になると期待が寄せられた。
さらに、補聴器購入に関する支援についても言及され、高齢者人口が増加する中で加齢に伴う聴覚の問題がしばしば社会参加の障壁となっている現状がある。市は今後、この助成策を検討し、予防的なアプローチとしての重要性を認識しているとのことだ。
市長は、消滅可能性自治体としての美作市の位置を再確認し、自治体全体で抱える課題に対する強い意志を持っていることを強調した。特に若者の定住を促進するため、雇用の拡大や農業の振興が非常に重要であると述べた。特に、緊急時への対応や、助け合いの精神が、美作市の今後に与える影響は大きい。
美作市は、懸命に持続可能な社会の構築に向けて努力しているが、具体的な成果を上げるためには市民全体の協力と積極的な意見交換が求められている。今後の進展が期待されるところである。