令和5年臼杵市議会9月定例会が、9月5日に開会した。この会議では、様々な議案や市長の行政報告が行われ、特に旧野津高校跡地利活用事業や新型コロナウイルスへの対策についての進捗が報告された。
中野五郎市長は、旧野津高校跡地の利活用事業で民間事業が停止した経緯について、監査委員による監査が行われたことを説明した。市は、事務処理を進め、その結果をもとに検証委員会を設置。この検証により事業の問題点が明らかになり、今後の事務改善策を検討する意向を表明した。市長は「この事態を受け止めて、手続きの改善に努める」と強調した。
また、新型コロナウイルス感染症についても言及があった。今年5月より感染症法上の位置付けが変更されたことに伴い、市は定期的に感染状況を市民に通知している。市長は「医療機関の受診方法や感染防止策についての啓発を引き続き行う」と述べた。
財政についても重要な報告があり、地方公共団体の財政健全化に関する法律に基づいて、健全化判断比率が報告された。市長は「負債管理は適正な状況にある」と述べ、現在の財政状況を説明した。さらに、報告第4号から第6号では、公益社団法人の経営状況や財政の健全化についての詳細な報告が行われた。
特に注目を集めたのは、健康保険証の廃止に関する請願書についてであった。広田精治議員がこの請願の紹介を行い、「廃止は国民皆保険制度の根幹を崩す大問題だ」と懸念を示した。市議会での意見として、多くの市町が廃止に対する批判的な立場を取っていることも示され、市民の不安を反映させる必要性が訴えられた。
これらの報告を受け、議会は各議案について慎重に審議を行う構えである。市は、地域の活性化や安全な生活環境の確保に向け、様々な施策を進めていく方針である。今後の審議に注目が集まる中、議会は9月29日までの会期で進行していく。
臼杵市の市政運営にかかる重要な要素が多数含まれる今定例会で、議員の意見や市民の声がどのように反映されるのか、次回の進展が待たれるところである。