令和2年6月17日に臼杵市議会で開催された定例会では、感染症対策と市民の健康維持が議題に上る中、新型コロナウイルスによる風評被害や避難所の運営方針が重要なテーマとして討論された。
戸匹映二議員は、風評被害が拡大している現状に対する対策を問うた。特に、感染者扱いされる不当な噂や誤解について合理的な情報提供が必要との認識を示した。戸匹氏は「早期に風評被害の相談窓口を設置し、被害者への心のケアが必要だ」と強調した。
それに対して、政策監の小坂幸雄氏は、市としては既にホームページでの人権への配慮を発信していると述べ、ポスターや動画で市民への啓発活動を行ったことを報告。さらに、相談窓口の整備や心理的支援体制の強化も進めていると附け加えた。
次に、戸匹氏が指定避難場所の感染防止策について質問。災害時に避難所での3密を避けた運営方法が重要視されているが、現状では通常の避難所運営がCOVID-19対策をどのように反映しているのかを問うた。対策監の中尾敬氏は、「新型コロナウイルス感染症対策として、必要な備蓄品の整備や運営体制の見直しが急務となっている」と述べ、避難者のスペースを確保し、基本的な衛生管理を実施する方針を説明した。
さらに、戸匹氏は、福祉避難場所の受け入れ体制に関しても触れ、「臼杵支援学校を福祉避難場所として指定してはどうか」と提案した。しかし、大戸敏雄福祉課長は、学校が災害時に使用できない急傾斜地に建っていることから、受け入れが難しいとした。
最後に、フレイル予防に関する取り組みについての質問も行われた。戸匹氏は、フレイル健診が開始されたことを受け、健康意識を高めるための教育機会を増やす必要性を強調した。健康担当の杉野等氏は、フレイルに関する情報提供を進めつつ、運動や栄養に関する啓発活動が行われている旨を伝え、今後も継続して市民への理解促進に努める意向を示した。
この日の議会では、風評被害、感染症対策、そして高齢者の健康維持について、臼杵市の行政がいかに市民の生活を守るかに主眼が置かれた。これらの議題は、今後の市政運営における重要な指針となることが期待されている。