国東市の令和元年12月定例会では、地域の重要なテーマに関して活発な討議が行われた。特に、介護施設の充実や医師の確保に関する議論が焦点となり、地域住民の生活の質を向上させるための具体的な施策が求められている。
まず、医師確保について、市民病院事業管理者の野邊靖基氏は、現在の常勤医師数が17名であることを明らかにし、3名の医師が不足している状況を強調した。医師派遣についての要請も行っており、地域医療における医師の確保が喫緊の課題であるとした。また、医療従事者の確保に関する地域の施策として、医師の派遣を主要な大学や医療機関と連携して推進している現状が報告された。
続いて、介護福祉施設における人材不足問題が取り上げられた。高齢者支援課の小川浩美課長は、介護人材の慢性的な不足は深刻であり、新規の就農希望者を増やすには三位一体の支援策が必要と述べた。市では「くにさき野菜学校」を整備し、地域農業の担い手の育成も行っている。これにより、今後新たな担い手が増え、地域の農業発展に寄与することが期待されている。
また、国東市には観光振興策も重要な施策として掲げられている。国東市観光周遊促進支援事業によって、年間537件ものバスツアーが実施され、総数16,589人のお客様が市に訪れた。観光課の金當裕昭課長は、これらの取り組みによって経済的な恩恵が広がっており、観光業が市内での消費を促進する要素となっていると報告した。
今後、地域医療や福祉、観光に関しては市の財政支援だけでなく、民間の力も活用しながら充実を図っていく方針が示された。特に、医師や介護職の確保は地域の基盤を支える重要な課題であり、住民の安心・安全な生活に直結すると思われる。また、観光施策は地域経済の活性化に貢献すべく、引き続き促進していく必要があるとの意見が大半を占めた。
これらの取り組みが実を結ぶことにより、国東市は地域の福祉と安定した医療サービスの提供の両立を図り、さらには観光客も呼び込むことができるよう期待が寄せられている。