令和3年3月25日に開催された南九州市議会の第1回定例会で、重要な議題が多く取り上げられた。中でも、南九州市の新庁舎建設検討委員会設置条例の制定が審議された。市の新庁舎建設に関する基本構想を具体化するため、市民からの意見を集約することが目的である。この委員会の設置に関する討論では、議員から市民参加の重要性が強調された。総務常任委員長の松久保正毅議員は、「市民からの多様な意見を取り入れ、より良い庁舎を目指すべきである」と述べた。
次に、南九州市国民健康保険税条例の一部改正も重要な議題であった。国民健康保険税の税率が改正され、低所得世帯への配慮が示された。大倉野由美子議員は「厳しい地域経済の中での負担増を懸念している」とし、改正には慎重な対応を求めた。これに対し、賛成意見も多く出され、最終的には原案通りの可決となった。
更には、介護保険制度についても改正が行われた。保険料率の見直しにより、8期介護保険事業計画に基づく新たな料金が定められたことに対し、多くの議員から反対意見が出された。内園知恵子議員は、保険料の引き上げが高齢者の生活に与える影響を懸念し、「利用者にとっての負担を軽減するための方策が必要」と訴えた。
最後の議題として、令和3年度南九州市一般会計予算が提案され、歳出の主なものとして、総額232億4,700万円が計上された。この予算が地域振興や市民サービスの向上に寄与することが期待されている。各常任委員長からの報告を受け、賛成多数で可決されることが決定された。議長の加治佐民生は、「本会議の成果を市民に還元することが重要である」と述べ、結びの挨拶を行った。