令和6年第3回臨時会では、南九州市の新庁舎建設計画に係る住民投票条例の制定について審議が行われた。特に議案第41号の住民投票条例については、多くの議員の注目を集め、最終的には否決された。
委員長の吉永賢三議員は住民投票条例の必要性を強調し、「市民が新庁舎建設に関する意見を反映する機会を持つべきだ」と述べた。この住民投票条例の制定を求める市民団体は、約2,300名の署名を収集し、市議会はその声を真摯に受け止める必要があると主張している。
一方、反対意見も多く寄せられた。村方直己議員は、「住民投票が実施されることで、計画が混乱し、財政的な不安を引き起こす可能性がある」と危惧感を示した。日置友幸議員は、代議制民主主義の重要性を指摘し、「市長選において市民が選択した結果を尊重すべきだ」と述べた。
また、大倉野忠浩議員は、庁舎建設の議論はすでに多数回行われており、住民投票を今行う意味が乏しいとの見解を示した。さらに、財政上の負担や現行計画の進行を重視し、反対の立場を取った。
最終的な採決では、賛成は5票、反対は12票で住民投票条例は否決される結果となった。議論の過程で、様々な視点からの意見交換が行われ、今後の南九州市における市民参加の重要性が再認識されたことが目を引く。さらに、令和6年度南九州市一般会計補正予算(第1号)が原案通り可決され、災害復旧支援に関する予算が整えられた。
この臨時会の結果は、今後の市政における市民の声の取り扱いや、市議会の役割について大きな意味を持つものとしばらく注目されることとなる。市民の意見や参加がどのように具現化されていくのか、今後の展開が期待される。