令和6年第2回南九州市議会定例会が3月25日に開かれ,財政に関する重要な議案が審議された。特に新庁舎建設に関する議案は,市民からの関心が高く,様々な意見が交わされた。
新庁舎の建設計画について,市長の塗木弘幸氏は,現在の庁舎の老朽化や耐震性の問題を指摘した上で,新庁舎建設が必要であると強調した。今回の計画では,総事業費が65億円に膨らんだことは物価高騰が要因であり,このタイミングで新庁舎を建設しなければ将来的により大きなコストがかかるとの見解を示した。
また,議会には陳情が提出され,「新庁舎建設65億円の見直し」を求める声が上がった。賛成派は市民の安全や震災対策を理由に挙げ,反対派は経済的負担を懸念。両者の意見は真っ向から対立している。
具体的には,堅実な財政運営と市民サービスの向上のバランスをとるべきだとする意見が多い。ある議員は「新庁舎が建設されなければ,今後の市民生活や公共サービスに深刻な影響を及ぼす」と語り,また別の議員は「今後の経済環境も考慮すべきだ」として議会により慎重な議論を求めた。
新庁舎建設計画が承認される一方で,入札や工事費の見直しを求める意見も出されており,今後の進行に注目が必要である。陳情は不採択に終わったが,議会の総意として,今後も市民のニーズを反映させた運営が求められる。
なお,令和6年度の一般会計予算は291億6,000万円で,予算編成においては新庁舎設計費のほか,県からの補助金などが見込まれていることも報告された。議員たちは市民の声を尊重しつつ,万全な策を講じていく意向で一致した。