令和5年6月30日に開催された南九州市議会第3回定例会において、重要な議題が討議された。
本会議では、公益社団法人南九州市農業公社の決算報告や各種予算案の審議が行われた。特に、令和5年度一般会計補正予算の議案36号は、5億578万円の追加が提案され、総額276億1,465万5,000円となる見込みである。その主な内容には、地域の水道施設の維持管理や災害対策、さらにコミュニティ助成事業の支援が含まれる。
また、議案第34号の南九州市印鑑条例の一部改正に関して、総務常任委員長の西 次雄氏が報告を行った。改正の必要性が強調され、特にマイナンバーカードを利用した証明書交付の手続きを容易にすることが期待されている。西氏は、「安全性の確保に留意しつつ、効率的な住民サービスの提供を目指す」と述べた。
さらに、水道事業に対する産業建設常任委員長の大倉野 忠浩氏による報告も注目を集めた。水道事業の財政的確保の課題について、大倉野氏は、「人口減少により給水量が減少する中、料金収入も低下する懸念がある」と述べ、長期的な設備の更新や維持管理の重要性を指摘した。委員からは、定期的な訓練や経験豊かな再任用職員の活用が提言され、今後の水道事業の方針に関して活発な意見が交わされた。
次に、限られた財源での庁舎建設に関する請願が取り上げられ、新庁舎建設の予算45億円以内での実施に関し、市民説明会を通じての理解促進が求められた。この請願について、新庁舎建設に関する調査特別委員会の吉永 賢三議員は、「市民の理解を得ることで事業の透明性を高めたい」と述べた。請願は一部採択され、今後の進展に注目が集まる。
最後に、議案第40号として、南九州市教育プロジェクトに対する補助金の募集に関する議案が可決された。市長の塗木 弘幸氏は高等学校との連携強化を進める意向を示し、「地域の次世代育成に向けて支援を惜しまない」と表明した。議会はすべての日程を終了し、午前11時10分に閉会した。