令和5年3月15日に開催された定例会では、南九州市のさまざまな課題が議論された。特に注目を浴びたのは空き家対策と小学校の統廃合であり、これからの地域社会における重要なテーマとなっている。
空き家問題の解消は、近年ますます重要な課題である。本市の空き家は4,550戸と推計され、その中には著しく危険な状態の特定空家が176戸存在する。これに対し、解体を促進するための補助制度も設けられ、昨年度には38件、今年度には19件が解体された。このような空き家解消を進めるため、所有者との連絡体制を確立しているが、県外在住者が多く、後継者問題もあることが懸念されている。職員は「特定空家対象の補助金を今後増額することは考えていない」との見解を示した。
また、小学校の統廃合についても議論が重ねられた。令和5年度の小学生数は1,467人の見込みであり、特に複式学級の存在が課題視された。市内には17校の小学校が存在するが、半数以上が複式学級となっており、今後の子どもたちの学びの場としてどうあるべきかが問われている。教育行政側は、小学校の統廃合に対し地域や保護者からの要望を重視すると答えており、慎重な判断に基づいた支援を続ける方針である。
さらには、加齢性難聴の補聴器購入に対する助成についても言及され、高齢者の社会参加を促進する上で、補聴器の利用が必要不可欠であるとされた。しかし、現在の補助制度は障害者手帳を持つ者のみに限られていることが指摘され、早急な制度見直しが求められている。また、農業振興に関する質問では、農家の所得の向上や後継者問題の解決策についての必要性が認識された。
市長は、これらの課題の解決に向け、地域の意見を反映させながら、適切な施策を検討していく考えを示した。特に、空き家対策と教育の整備は、今後の地域の振興や発展にとって重要な要素となる。