令和5年第5回南九州市議会定例会が開催された。多くの議案が審議された中、特に注目を集めたのは「知覧テニスの森公園の指定管理者の指定」や「南九州市オートキャンプ森のかわなべの指定管理者の指定」など、地域の資源を活用する管理者の指定に関する議案であった。議長の山下つきみ氏は、議案の処理を進める中で、これらの議案は市民にとって重要な施設の運営に影響を及ぼすものであると強調した。
総務常任委員会より報告が行われ、知覧テニスの森公園に関しては、指定管理者としてのグリーンテニスが選定された。管理期間は令和6年4月から令和9年3月31日までの3年間。彼らは、ナイターのLED化や駐車場区画線の改修を考えていると報告した。対して議員の日置友幸氏は、公共施設適正配置計画との整合性について議論した。日置氏は、知覧テニスの森公園の今後に明確な目標が示されていないことに対して、懸念を抱いていると述べた。
次に、南九州市オートキャンプ森のかわなべの指定管理者として、株式会社かごしまツーリズムが指定されたことが報告された。このキャンプ場は、コロナ禍でも来客数が確保できたことから、昨今のアウトドアブームの影響を受けている。指定管理料はゼロ円とされ、多くの議員から支持を受ける結果となった。
また、行政に関する複数の条例案が相次いで可決。中でも、「南九州市課設置条例等の一部を改正する条例」では、廃止される収納対策課の業務が税務課に集約され、新設される子ども未来課は、今後の政策に重要な役割を果たすこととなると説明された。
人事院勧告に基づく職員給与の改定や、生活保護世帯に向けた支援金の増額なども議題となり、市民の生活向上を目指す施策が続けて承認された。議員においては、暮らしの安定を支えるための財源確保の必要性が強調され、ほとんどの議案が賛成多数で可決された。
一方で、議案に対する異なる意見も表明され、特に給与改定に対する反対意見が目立った。市民の厳しい経済状況を反映し、議員報酬の引き上げが本当に必要かとの質問が議場で上がり、議論を呼び起こしていた。