令和元年11月21日、南九州市の定例会議が開催され、議員たちが地域課題についての活発な意見を交わした。
主要テーマの一つである「茶業の活性化」では、鮫島信行議員が茶業農家の経営を圧迫している茶価の低迷について質問した。市長の塗木弘幸氏は、全国お茶まつりの準備の進捗や今後の計画を詳述し、鹿児島県大会を迎えるにあたり成功に向けた施策を講じると述べた。生産強化のための国との連携についても言及され、地域ブランドの向上への取り組みが強調された。
さらに、農業振興についても議論がなされた。特に、サツマイモの基腐病対策が深刻な状況であることから、農政課の本木下裕一課長が発表した。昨年確認された基腐病は、サツマイモが感染し、収量を激減させる厄介な病害であり、新農薬の開発が急務であると訴えた。市としては、栽培技術の宝庫としての役割とともに、輪作を通じた土壌改良が進められる必要性が示唆された。
これに続いて、教育長の有馬勉氏が、南九州市内での地域の郷土芸能や伝統行事の支援について言及した。近年の高齢化や過疎化により、これらの行事の継承が難しくなっているものの、多くの市民が地域の文化を守るための活動を続けている。その一環として、地域の郷土芸能に関する補助制度が整備されており、さらなる周知と活用促進が求められている。市長も地域における伝統芸能の重要性を強調し、継承活動の支援に向けた取り組みを約束した。
この会議を通じ、南九州市は地域の農業や伝統芸能の振興とともに、市民参加型の地域づくりを推進していく姿勢を示した。今後も課題解決に向けた積極的な取り組みが期待される。