令和2年第1回輪島市議会定例会が3月10日に開催され、新型コロナウイルス感染症対策が大きな焦点となった。市長の梶文秋氏は、「市内における感染拡大の予防に努め、全庁的に情報共有を行う」と強調した。
特に注目すべきは、総合的な感染症対策についてである。市は既に新型コロナウイルス感染症対策連絡会を立ち上げ、学校での臨時休校を決定するなど迅速に対応している。学校関係者からは、「児童の教育環境を維持することは重要であるが、安全も最優先である」との意見が聞かれた。
市内の宿泊施設や飲食店も新型コロナウイルスの影響を受け、キャンセルが相次いでおり、昨月の宿泊キャンセル件数は213件、春休み期間のスポーツ大会も中止となっている。この影響で多くの業者が厳しい状況に置かれているという。
一方で、市はその対応策として、国の保証制度を活用し、売上高が前年比で20%以上減少した事業者を支援する計画を公表している。また、輪島市経済団体協議会には、相談窓口を開設し、業況が悪化した業者への支援を強化する方針を示している。
市長は、財政運営の見通しについても言及した。新型コロナウイルスの影響で経済が停滞しているため、税収が減少する可能性があると述べ、「厳しい運営が続く」との見解を示している。それに伴い、今後の予算編成や財源確保が課題となりそうだ。
国民健康保険については、保険税率が見直される予定であり、昨年比で被保険者の保険税負担は5.7%減少すると見込まれている。また、災害廃棄物処理計画の策定状況についても報告があり、今後都道府県ベースで100%の計画策定を目指す方向だと説明された。
地域の産業活性化や観光振興策についても言及され、輪島朝市の運営に関して、内部での対立が続いているが、観光資源の重要性を訴える声が多く、本市は地域の経済活性化を引き続き図る必要がある。
さらに、公共の場における取り組みの一環として、IoTの活用を促進するためのモデル事業が進行中であり、地域住民の生活向上に寄与することが期待される。特に水道事業において、スマートメーターの導入が計画されていることで、漏水の早期発見が可能になるとの説明もなされている。
市議会では、子供たちの教育環境や居場所の確保が話題に上がり、今後の教育施策についても議論が交わされた。市は生徒の学びを支えるための施策を充実させるとともに、特別支援が必要な子供たちへの支援も強化する方針を示した。