令和元年12月10日、輪島市議会の第3回定例会が開催された。
今回の定例会では、特に被災自治体への支援や人口減少対策が主題として挙げられ、多くの議員から意見が交わされた。
まず、椿原正洋議員が被災自治体への支援について質問した。自然災害が多発する中、災害ごみの処理を迅速に行う必要性を強調し、「被災地からの要請には速やかに対応できる体制を整えていると思うが、具体的な支援内容についてはどのように考えているのか」と問いかけた。それに対し、市長の梶文秋氏は「これまで受けた支援を踏まえ、自らの経験を生かし、必要な援助を行っていく」と回答した。市は、災害廃棄物の処理に関しても関与を得て、支援体制を強化する方針を示した。
また、人口減少・高齢社会に関する議論も多く交わされた。特に地域内の支援体制を整えることが急務とされ、奥能登地域と連携し、生活支援を強化する必要があると指摘された。市長は「高齢化率が40%を超える地域において、総合的な施策が求められる」と述べ、地域住民と一緒に対策を進める姿勢を表明した。
次に、森裕一議員が總持寺開創700年に向けた地域振興策について言及。地域連携による振興の重要性を訴え、「ゆかりのある企業や団体との協議を進めているが、この勢いを続けるためにどう進めていくのか」と問いかけた。市は、具体的なイベントの開催を視野に入れた取り組みを進める意向を示した。
教育に関しては、教職員の労働条件についても言及があり、長時間労働の問題が議論された。特に、組合からは変形労働時間制の導入に対する懸念が表明され、教育長は「業務を効率化する必要があるが、教員の負担軽減にも配慮が必要である」と強調した。
防災対策については、現在のハザードマップと過去の災害からの教訓をもとに、新たな福祉施策や防災整備が求められる中で、具体的な緊急避難体制についても質疑が行われた。
最後に、輪島市内の通信環境整備についても触れられた。現在の不感地域や光回線の未整備地域の解消を市が積極的に進める必要性が訴えられた。市長は、民間事業者との連携によるエリア拡大を検討しており、さらに整備を進める意欲を示した。
このように、契機に満ちた議論が交わされ、輪島市のさらなる発展に向けた具体的な施策を追求する姿勢が強調された。市は引き続き、地域の課題解決に向けた取り組みを進めていくと約束した。