令和6年5月8日、輪島市議会臨時会が開かれ、様々な議題が取り上げられた。
今回の臨時会では、令和6年の能登半島地震に関する報告が特に重要な焦点となっている。市長の坂口茂氏は、地震がもたらした社会的影響について詳細に説明した。地震による死者は106名、行方不明者は3名と報告された。
また、避難者数については、現在も市内45箇所の避難所で約1,000名が生活をしている状況である。ライフラインの復興についても言及し、水道は約90%復旧したものの、未解決の宅内漏水の修理が約500件残っているとされた。
さらに、地震の影響を受けた建物の被害状況にも触れられた。半壊以上の被害を受けた建物の件数は14,920件に及んでおり、急を要する公費解体の申請も約1,900件に上る。しかし、相続手続きの煩雑さから申請が遅れている状況を鑑み、市は公費解体の要件を緩和し、宣誓書による申請を可能にする対策を講じた。
質疑応答では、森正樹議員が公費解体の進捗や緊急解体の状況について質問した。市長は、5月3日現在で公費解体74件、緊急解体では64件が完了したと回答した。さらに、今後は1週間あたり100~150件を目指して解体作業を進める意向も示した。
議案の取り扱いに関しては、坂口市長が提出した議案42号から60号までの承認を求めることが承認され、特に災害廃棄物処理に必要な予算が75億8,200万円との内容が可決された。また、議案61号についても、被災者の生活再建支援を目的とした補正予算が承認された。これは、孤立防止のための巡回見守り支援や経済的軽減策が含まれる。
市長は、今後も被災者や地域の復興を支援するための施策を積極的に推進する方針を明らかにした。特に、輪島の伝統工芸である輪島塗の復興につながる施策を重点的に行う意向を示した。
未曽有の災害を受け、自治体として迅速な復興計画を立てる必要性が高まっている現状で、今後も市民と共に前進していく姿勢が求められる。