令和5年12月13日、加賀市議会では定例会が行われ、令和5年度加賀市一般会計補正予算が可決された。
市長提出の補正予算案は、北陸新幹線金沢敦賀間開業を見据えた内容であり、議案第87号として提案された。この補正予算の主な支出項目には、開業記念事業や観光資源のPR対策が含まれている。
特に、北陸新幹線加賀温泉駅の開業関連事業には、多くの期待が寄せられている。市議会では、賛成と反対の意見が出た。賛成派は、観光振興や経済活性化への効果を強調した。議員の稲垣清也氏は、「市民総参加の盛り上がりを期待する」と述べ、開業に向けた準備の重要性を訴えた。
一方、反対派からは、物価高騰や生活困難に苦しむ市民を支える施策が不十分だとの指摘がなされた。一色眞一氏は、補正予算が市民の暮らしを守るための指針となっていないと批判した。具体的には、新幹線開業の際の記念事業よりも、急務である生活支援施策が優先されるべきだと強調した。
図書館活性化事業にも懸念が示された。市立図書館の運営を民間委託するという方針には、職員の増員が必要だとする意見が表明された。民間委託を進める理由が不明であるとの声もあがり、地元住民の要望に応じた図書館運営が求められている。
また、幼児教育の質向上に向けたICTの導入に関しても議論された。この施策のメリットとして、業務の効率化が挙げられたが、IT機器の利用に不安を抱く職員への支援も必要である。このような教育現場のデジタル化には、全体のサポート体制が不可欠だとされる。
加賀市は今後も、北陸新幹線の開業に向けた準備を進める一方で、市民生活を守る施策とのバランスを取る必要がある。今後の施策に対する議論の行方が注目される。