令和5年12月に行われた定例会では、加賀温泉駅の開業に向けた多様な議題が挙がり、特に北陸新幹線開業記念事業に関する議論が注目された。
会議の冒頭で、議長である今津和喜夫氏が開会を宣言し、議題が次第に進む中、質疑応答が行われた。議員の東野真樹氏が提案する「北陸新幹線加賀温泉駅開業記念事業」では、過去のイベント成功を背景に具体的な開業日当日のプランについて質問が繰り広げられた。市長の宮元陸氏は、観光客を迎えるおもてなしの企画として、地元特産品の振る舞いや伝統芸能の披露を挙げ、盛り上がりを期待すると述べた。
さらに、飲食スペースの拡充については、過去のイベントでスペース不足が課題になったことから、今後の改善策について議論が交わされた。特に、食のイベントを通じて観光客を惹きつける方策が模索されていることが強調された。
また、開業に向けて北陸新幹線車内や金沢駅でのPR活動が重要視され、県やJRとの連携の下、観光情報の多言語表記の必要性が指摘された。特に外国人観光客の誘致について、情報発信の強化が求められている。市としては、観光客に向けた情報を充実させ、加賀の魅力を効果的に伝えていく考えを示した。
台湾からの誘客推進に関する話題では、若林高氏が台湾旅行業者との連携強化を提案した。これは、県境を越えた観光促進に資するとの認識から来ている。
加賀市版ライドシェアも重要なテーマで、市が主体的に取り組む姿勢は注目を集めている。運転手不足という現状を踏まえ、交通手段の多様化が求められる中、各交通事業者との協議が進められていく。
動橋川河川改修工事の進捗報告も行われ、地域住民の不安解消や事業の進捗状況の透明性を確保することが求められた。また、ツキノワグマ対策については、地域住民の安全確保のため、捕獲体制の強化が検討されている。最後に、公共施設の各種利用についても議論があり、利用促進と地域の活性を同時に図るための施策が重要視されている。
このように、加賀市は北陸新幹線開業という転機を前に、様々な施策を展開していく姿勢を見せている。市長は、観光客のみならず市民にとっても有意義な交通環境構築に尽力する意向を改めて示した。これらの取り組みは、加賀市の更なる発展に寄与することが期待されている。