令和3年6月の定例会では、新型コロナウイルスワクチン接種の進捗に関する質疑が数多く行われた。
議員からは「未接種の高齢者の把握と対応について」や「県外に在住の加賀市民への接種クーポン券の送付方法について」次のような質問が寄せられた。
市民健康部長の堀川夏雄氏は、「高齢者で予約をしていない約1,900人の方々への把握が進んでいるわけではないが、地域の民生委員や支援センターを通じて予約を進めるようにしている」と述べた。また、県外在住者に対しては、必要に応じて住所地外での接種も可能であることを説明した。
さらに、コロナ禍での避難所の危機管理に関する議論も行われた。南出貞子議員からは「発熱や濃厚接触者の対応など、避難所における感染対策はどのように考えているのか」との質問があり、総務部長の柴田義徳氏は、「可能な限り多くの避難所を準備し、症状に応じた部屋分けや問診票の記入を行う」と強調した。
また、市内の医療センターではオンライン診療の導入の検討が進んでいることが報告された。加賀市医療センター管理部長の加藤正則氏は、「急性期病院であるため対面診療が主ではあるが、今後はオンラインによる病状説明などを導入する考えがある」と述べ、スマート化を目指す意向を示した。
観光戦略については、今年度の施策として、感染拡大が収束した後の観光客の受け入れに向けた準備が進められていることが伺えた。市長の宮元陸氏は、「地元の特性を活かし、特段に魅力的な観光地を作り出すために、観光資源を最大限に活用する計画だ」と述べた。
また、EV導入推進事業について、総務部長の柴田義徳氏は、「月額利用料金11万円の内訳が説明され、電動車両とその管理システムについての詳細が示された」と報告した。これにより、加賀市における持続可能な交通の導入が進む方向であることが期待される。
さらに、熊の出没被害対策やごみ収集の問題に関する質疑も行われ、特に熊の生息域が拡大している現状に鑑み、迅速な対応が求められた。市側は、「生息環境調査やリアルタイムでの出没情報提供のシステム構築を進めている」と明言した。
奨学金返還支援制度の活用に関して、宮元市長は「この制度が若者の定住を促進するための手段となり得る」とし、施策の充実に期待を寄せた。最後に、パートナーシップ宣言制度については、人権問題として重要視され、市としての取り組みの必要性が再確認された。この一連の議論から、加賀市が今後も多様なニーズに応える施策を推進していくことが求められている。