令和5年4月28日、加賀市議会は臨時会を開催し、様々な議案について審議を行った。最も重要な議題は、令和5年度加賀市一般会計補正予算および友好交流都市協定に関するものである。
宮元市長は、補正予算案についての詳細な説明を行った。補正額は5億5,510万円に達し、総額は348億7,410万円となる。この補正予算には、デジタル田園国家構想交付金の活用によるスマートパス構想事業が含まれている。
スマートパス構想は、マイナンバーカードとデジタル技術を結びつけ、市民生活を利便性向上を図るものである。具体的には、加賀市医療センターやかがにこにこパークでの導入が計画されており、顔認証技術を用いた受付が可能になる。これにより、市民は手ぶらでサービスを受けられる環境が整えられる。
議会において、一色眞一議員は、このスマートパス構想に関する懸念を表明した。マイナンバーカードを所持しない市民が取り残され、格差が生まれるリスクについて指摘し、「カードの所持が前提となることで、便益を享受できない人々が出ることは問題である」と述べた。
加賀市では、84.2％と高いマイナンバーカードの交付率を誇るが、マイナンバーカードを持たない人々への配慮が求められた。市は、マイナンバーカードの利便性を感じてもらうための施策を進めることを強調している。
宮元市長は、人口減少対策としてのこの事業の重要性を訴えた。しかし、議員からは個人情報の漏えいや安全性についても疑問が呈されている。特に、一色議員は「個人情報の取扱いが極めてずさんである」と指摘し、観点からの適切な対策を求めた。
次に、議案第42号として、ビルシュトナス市との友好交流都市協定が提案され、観光振興や地域資源の持続可能性を図ることが目的とされた。市長は、観光をはじめとした様々な分野での交流の推進が期待されていると述べた。
最終的に、各議案はそれぞれ承認され、議会は閉会を迎えた。加賀市の取り組みは、地域振興や市民便益の向上につながることが期待されているが、市民の幅広い理解と協力が不可欠であることも議会内で強調された。