11月27日、令和5年12月加賀市議会定例会が開会した。ここでは、さまざまな意見が交わされたほか、議案に関する説明があった。
市長の宮元陸氏は、物価高の影響について言及した。国際情勢の不安定さから、原油や食料品の価格が上昇し、市民生活に影響を及ぼしていると認識を示した。加賀商工会議所による調査でも、各業種の仕入れ価格が上昇していることがわかり、低所得世帯への支援策が必要と強調した。国が発表した対策に基づき、市内でも年内の支給開始に向けて迅速に対応する計画を明らかにした。
続いて、加賀市版スマートパス構想についても説明した。今後、顔認証を利用した本人確認システムを導入する予定であり、この取り組みは市民の利便性を向上させるものだと述べた。また、医療センターでの診察の際にスマートパスを利用することが期待されている。
さらに、加賀市開業ワンストップセンターの設置が国家戦略特区の認定を受けたことも報告した。このセンターでは、起業を希望する人々に必要な支援を集中して行うことが可能となり、特に外国人による起業を後押しする計画が示された。
移動最適化都市の実現に向けた具体的な取り組みも進めている。市内の地域資源を活用したAIオンデマンド交通、ライドシェアの仕組みが構築され、市民や観光客の移動をより便利にするための施策が計画されている。
国際交流の進展についても触れた。市長が台湾を訪問し提携を深めた結果、医療分野での国際連携を進める機会が得られた。また、エストニアのハープサル市との友好交流協定も締結し、さらなる交流の拡大が期待されている。
北陸新幹線加賀温泉駅の開業を迎えるにあたり、盛大なイベントの実施も予定している。記念イベントには多くの市民が参加し、北陸新幹線の開業に向けた期待感が高まっている。
推進する人材育成にも力を入れている。最近、NASA の研究者を人材育成アドバイザーに委嘱し、グローバルな知見を基にした指導が行われる予定だ。加賀ロボレーブ国際大会では、過去最多の選手が参加し、次世代の人材育成に貢献している。
最後に、中期財政見通しと予算編成について言及した。地方財政が厳しい中、選択と集中による人材投資を進め、持続可能な発展を目指すとした。議案の審査と、透明で公正な議会運営が重要であると強調した。